漁師町が生んだ、醤油の個性
「港に近い忠海だからこそ、魚の煮炊きや刺身に合う甘めの醤油がここの味」と教えてくれたのは、大正8年創業「忠海醤油」の店主、生田裕さん。昔は忠海に3、4件あったという醤油店。今は1件のみとなったことに寂しさを感じながらも、生田さんは大好きな醤油を作り続けています。その理由は、「忠海を離れた人から注文がある」という言葉の通り、故郷の味を求める人のため。いくら自動化が進んだ醤油作りといっても「これこれ!」と感じさせる味わいは、生田さんにしか出せません。
定番は「特吟」「宝」「金」と名付けられた、味わいの異なる3種の醤油。特に「特吟」は旨味が強く値段も一番高いので、素人目線では「これが一番美味しいに違いない」と思いきや、料理人によっては「宝」や「金」が好まれることも。作る料理によって選べるほど、多彩な味を表現できるのが「忠海醤油」のすごいところ。
家庭や飲食店のみならず、地元の福祉施設や病院の食事にも使われているということから、慣れ親しんだ味が、この地域に欠かせないことが伝わってきます。生田さんの代では、刺身や冷奴用の「かけ醤油」や、地元スーパー専用の「マミー醤油」などにも挑戦。「美味しい!」という言葉が励みに、これからも作り続けたいと意気込みます。
Information
- Interview destination:
- 忠海醤油
- business hours:
- 9:00~18:00
- Regular holiday:
- 月曜・土曜・日曜
- address:
- 729-2316
広島県竹原市忠海中町2-20-23
- access:
- JR忠海駅から徒歩3分
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